2005.9.26 風のたより 歳時記 秋の七種

   このコラムは、9月30日水曜日、あさ9時30分
   『タッキー816みのおエフエム』 (周波数81.6) 
   モーニング・タッキー「風のたより」で放送されます。
   箕面の山パトロール隊 渓川 清の報告です。

紫苑にはいつも風あり遠く見て  山口青邨

野の道に、いくつもの紫苑が揺れている箕面の里山。週末は、秋晴れが続きましたね。秋の空は、ぬけるように澄みわたっていました。山道を歩くと、ほど良い汗です。
勝尾寺参道には、団栗がいくつか落ちていました。まん丸いクヌギの実です。樫の木の実も、緑の実が、大きく膨らんでいます。
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△ツリガネニンジン 勝尾寺参道

沿道には、イヌタデ、ヒヨドリグサ、キツネノマゴ、ミズヒキなど秋草の花が咲いています。

秋の野に咲きたる花を指折り
          かき数ふれば七種(くさ)の花

芽子の花尾花葛花なでしこの花
          女郎花 また藤袴 朝顔の花

                        山上憶良 万葉集

どこでも見られる七つの秋の草花が良い調子で和歌として詠われています。この七草、その趣を愛でることのみならず、実は、人々の暮らしとも、深い関わりがありました。
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△キツネノマゴ 勝尾寺参道

萩は、屋根の材料としたり箒にしたり、めまいに使う薬草として、尾花つまりススキも屋根葺きに使う以外に解毒の薬草として、葛は衣の材料であり、また言うまでもなく風邪薬でした。
ナデシコはむくみ取り、オミナエシはお腹の調子が良くない時の薬草でした。
フジバカマは、むくみ取りの薬草として、また乾燥させて香り袋として利用されました。
この歌にあるアサガオは、アサガオともキキョウとも言われていますが、アサガオであれば解毒、キキョウであれば咳止めの薬草となります。

野の草が、生活の一部だったんですね。

水引のまとふべき風いでにけり  木下夕爾

爽やかな風に、秋の七草揺れる箕面の里山。
皆さまも、ぜひお出かけ下さい。
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△エビヅル 勝尾寺参道
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△アオツヅラフジ 勝尾寺参道
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△コマユミ うつぎ谷
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△シラカシ 粟生外院
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△ホルトノキ 粟生外院
by sanrokubika | 2009-09-28 20:20 | 風のたより(渓川 清)
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パトロール隊の主な活動は、箕面の山のゴミ回収、大型ゴミ・不法投棄の調査、防止策の提案、一般への啓蒙活動、自然環境の保護・保全・育成です。
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