2009.10.10 歳時記 風のたより

   このコラムは、10月14日水曜日、あさ9時30分
   『タッキー816みのおエフエム』 (周波数81.6) 
   モーニング・タッキー「風のたより」で放送されます。
   箕面の山パトロール隊 渓川 清の報告です。


  風の音は山のまぼろしちんちろりん  渡辺水巴


朝夕の冷え込みが、身にしむようになってきたとはいえ、
箕面の里山では、まだ虫の音が賑やかです。
夕暮れ時、大宮寺の森を散策すると、ため池の堤から、
りりりーりりりーとコオロギの声が聞こえます。
そして、堤の、その一角に足を止めると、辺りは、ちんちろりん、ちんちろりんと、マツムシの大合唱です。ほんとうに、ちんちろりん、ちんちろりんと聞こえるのが不思議なくらいに、はっきりと、ちんちろりんと鳴いています。
平安のある時代までは、実はこのマツムシこそが、スズムシとして、歌に詠われてきたんです。そう、鈴を鳴らすように、ちんちろりんと聞えます。秋の夜長を鳴き通す虫の声が里山に響いています。


  遠鹿にさらに遠くに鹿のをり  後藤夜半

  
虫の音とともに、森の奥から、ひょーっ、ひょーっという声が聞えました。晩秋の牡鹿は、盛んに声を上げ、他の牡鹿に対抗し、そして、牝鹿の気を惹くといわれています。次第に冷たさを増す秋の気配と重なり、ひときわ愁いを帯びた鳴き声として、古くより和歌に詠まれてきました。


  さ男鹿の鳴くなる山を越え行かむ
      日だにや君にはた逢はざらむ

                     車持千年万葉集


日が落ちた山道、だんだんと冷え込んで行く中、
確かに悲しげに聞える鹿の声です。


さて、日が落ちる前の、日中の山道は、まだまだ汗ばむほどの日和が続いています。この時期、風もさほど強くなく、天高き秋空からは、暖かな陽射しが届いています。そして、麗らかな終日の野山は、時折、静まった間を迎えます。


  秋の日が背にあたたかくしづかなり  長谷川素逝


静まりが、再び動き出すように、ゆるやかで、やわらかな秋風が吹き抜けます。その風に、ススキの穂がいっせいに、波のように揺らぎます。


  をりとりてはらりとおもきすすきかな  飯田蛇笏


陽射しに映えて、輝くようなススキの穂。
長い尾っぽのような花・・・古くは、尾花と呼ばれました。
秋の野原といえば、まずススキ。里山のススキの向こうには、実りを迎えた木の実の森が広がり、その上には澄み渡る青空が広がっていました。
ススキは、萱でもあります。
古くより、茅葺屋根の素材として使われ、私たちの暮らしとともにありました。ススキで刈屋根を作るので、転訛して「かや」と呼ばれるともいわれています。また、里山では、毒消しの薬草でもありました。

ススキの穂がゆらぎ、虫の音響く箕面の里山。
皆様も、ぜひお出かけください。


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by sanrokubika | 2009-10-13 23:32 | 風のたより(渓川 清)
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パトロール隊の主な活動は、箕面の山のゴミ回収、大型ゴミ・不法投棄の調査、防止策の提案、一般への啓蒙活動、自然環境の保護・保全・育成です。
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