自然観察情報060703 歳時記 合歓の花

このコラムは7月5日水曜日、みのおFMタッキー816(周波数FM81.6)で放送されます。放送時間は、あさ9時30分、モーニング・タッキー「風のたより・・・」の時間です。
箕面の山パトロール隊 渓川 清の報告です。

いつまでも明るき野山半夏生  草間時彦
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2006.7.2 粟生間谷

夏至を過ぎ、夏も半ばの箕面の里山。日が長く、思わず日暮れの時を忘れてしまいそうです。その里山が、まだ明るき夕暮れを迎える頃、ぽっ、ぽっ、と薄紅色の灯りをたくさん点したような木が目に留まります。あたりが薄暗くなるにつれ、その灯りの数がだんだんと増していくようにも見えます。

どの谷も合歓のあかりや雨の中  角川源義
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2006.7.2 粟生間谷

薄紅色の灯りの正体は、合歓の花でした。昼遅く夕暮れを迎える頃から、白い絹糸を薄き紅で染めたような花が、いくつもの枝に散らばるように咲き始めます。まさに、「灯り」をたくさん点したかのようです。小枝に左右に分かれてついている、この木の葉っぱは、夜になると、左右合わさって重なります。葉っぱが眠ってしまうように見えることから、眠(ねむ)の木とも云われます。この様子は、古来「恋」にも例えられてきました。

昼は咲き夜は恋ひ宿る合歓木の花君のみ見めや戯奴(わけ)さへに見よ
紀郎女 「万葉集」
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2006.7.2 粟生間谷

この合歓の木、里山では、胴丸火鉢や馬の鞍、家具などに利用されてきました。また、「ねむ」というくらいですから、安眠や鎮静の民間薬でもあったんです。不思議ですね。生薬名は、漢名を音読みで「合歓皮」といいます。

薄紅の絹糸のような合歓の花開く箕面の里山。
皆さまも、ぜひお出かけ下さい。
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by sanrokubika | 2006-07-04 23:03 | 風のたより(渓川 清)
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パトロール隊の主な活動は、箕面の山のゴミ回収、大型ゴミ・不法投棄の調査、防止策の提案、一般への啓蒙活動、自然環境の保護・保全・育成です。
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