2008.11.22 風のたより 歳時記

このコラムは11月26日水曜日、タッキー816みのおエフエム(周波数81.6)で放送されます。放送時間はあさ9時30分、モーニング・タッキー・みのおの風 「風のたより」の時間です。
箕面の山パトロール隊 渓川 清の報告です。
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△うつぎ池

冬かげは流るる雲のけはひにも  富安風生

ようやく黄葉も、くっきりと色付いてきた箕面の里山。赤く染まった木の葉の上に広がる冴え渡る空。鈍色を交えた白い冬の雲が足早に流れて行きます。その雲を透かすように、柔らかな冬の陽射しに包まれた週末。そして、週明けは一転、雨だれの潤いを得て、さらに色鮮やかな黄葉の山肌となりました。
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△粟生間谷

時雨の雨間無くな降りそ紅に

    にほへる山の散らまく惜しも  万葉集 詠み人知らず

強い北風を伴うことなく降り注いだ雨。紅に匂える山の紅葉は、万葉人の気遣いが聞えたのか、散ることもなく、箕面の山々に、その彩を散りばめています。もう少し色合いが増すのではないかと思えるほど、まだ淡い色が残っているようです。
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△粟生間谷

「もみぢ」は、紅い葉とも黄色い葉とも書き表されます。もともとは、木の葉が、赤や黄に変わることを言い表す「もみつ」という動詞でした。「かえで」の赤だけではなく、山々が、赤や黄や茶の混ざり合った彩りに移り変わること、それが「もみぢ」です。古来の染め物でも、この時期の草木の色から、「紅葉色」、「朽ち葉色」、「枯れ色」などの名がとられています。後に「紅葉色」はカエデの赤の総称となりましたが、「朽ち葉色」は、『朽ち葉四十八色』と云われるほど、さまざまな「もみつ」色に分かれています。たとえば、赤朽葉、黄朽葉、青朽葉、濃朽葉、薄朽葉と云うように。山肌の錦の色合いのみならず、今、箕面の山道に降り積もる落葉の絨毯は、まさにこの『朽ち葉四十八色』の色模様です。

もみち葉を散らすしぐれに濡れて来て

         君が黄葉を かざしつるかも   久米女王 万葉集


やがて来る北風、紅葉が見頃の箕面の里山。
皆さまも、ぜひお出かけ下さい。
by sanrokubika | 2008-11-25 21:54 | 風のたより(渓川 清)
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